第7回ひがしごくらくじお花まつり音楽会リポート2011/04/29 17:25

第7回 ひがしごくらくじのお花まつり音楽会に行ってきました。


 東極楽寺はJR新神戸駅に近く周りをマンションやビルにとり囲まれた場所にある浄土宗のお寺です。そのお寺の小林住職の「お寺はみんなの集まる場所であってほしい」という考え方から“お花祭”に音楽会を開催するようになって今年でもう7回目になります。

 日程調整も済み、手作りのポスターを配布した後、3月11日に東日本大震災が起きました。音楽会の開会挨拶によると、ご住職は、当初は音楽会は中止した方がよいのではないかと思うものの、開催してほしいという要望も多く、ずいぶん悩まれたそうです。しかし、阪神淡路大震災を思い起こせば、唄を歌い、唄を聴くことで心がやわらぎ希望の光を感じることができた。だから、こんな時にこそ、共にみんなで歌い、命の思いを伝え、悲しみと喜びを分かち合いたい。そのために、いつもは開催経費にしていた音楽会への協賛金を被災者への寄付金にすることにして、開催しようと決めたということでした。





上の写真はお寺の入り口に掲げられた案内板。ご住職の手書きです。



 音楽会は12時半に始められました。最初は境内で・・。
 最初の演奏者は渡辺イチロウさん。持っているのはクロマティク・アコーディオンです。
普段あまり耳にすることがないスタイルの音楽を演奏されていました。ヨーロッパの山岳地帯あたりの音楽なのでしょうか?渡辺さんは「山を登っていって降りてくる音楽です」というような説明をしながら、時に目を閉じて演奏されていました。不思議なことに、山を登っている人に見えている山並み、空気感、風の感触等々が感じられるような気がしました。最後は木村ゆかさんとのアコーディオン・デュエットで盛り上がり、ご近所のみなさんや檀家のみなさんも盛んに拍手を送っていました。 




上の写真は本来のお花祭の行事です。

ご住職がお経を上げた後、順番に甘茶を汲んで仏様の頭に注ぎ、拝んだ後で、お寺に上がらせていただきました。


ご住職の挨拶と歌(Blowing in the wind)が済むといよいよヒルトップ・ストリングス・バンドの演奏。
 

 1977年前後に高田渡とヒルトップ・ストリングス・バンドとして活動したバンドです。今回は、オリジナル・メンバー3人にアンサン(パーカッション)と島田和夫(ドラム)が加わっています。
 最初の曲「バーボン・ストリート・ブルース」のあまりに素晴らしい演奏にビックリしてしまいそのまま最後まで釘付け状態。佐久間順平さんがマンドリンで演奏する「ワタルズワルツ」も天上の音楽としかいいようのない美しさでした。さすがに歴史に名高いバンドですね。





続いてアコーディオンの渡辺イチロウさん。共演の木村ゆかさんは今度はピアノで。
このステージではアコーディオン演奏以外に歌を二曲歌ってくれました。
魅力的なしぶい声で、物語的、神話的とでもいうべき歌世界を披露してくれました。






一見、戦場カメラマンに見えると今回いわれてますこの方、神戸のペダル・スティール・ギター奏者の中川みつおさんです。(春待ちファミリーBANDのメンバーでもあります。)
一曲、歌ってくれました。ステージののんびりした雰囲気と語り口が魅力的でした。もう少し聴きたかった。





今西太一さん。この風貌、ご覧の通りのロックンローラーです。伴奏者は木村ゆかさん。
繊細さと力強さを持った歌を聴かせてくれるロック詩人でした。
場所柄、受けないかもしれないと思っていましたが、ぜんぜんそうではありませんでした。高齢な方にも支持されており、大きな拍手を受けていました。





今西太一さんの後を受けたのは東京タワーズ。
大庭珍太&アンサンのコンビ。昭和的センス?のギャグ満載のステージと中年ならではの視点で人生を見つめた独特の歌詞。アコースティックだけどパワフルなロック・バンドでした。音楽的にも日本の伝統的な音楽を取り入れるなど独自の個性が際だっていて良かったです。突っ走る感じが最高でした。





本日のトリをつとめるのはもちろん佐藤GWANさん。
最初、ソロから。
次に今回参加したミュージシャンと順番にデュオで。
そしてデュオの最後の相手として順平さんが登場。
最後にヒルトップ・ストリングス・バンドが登場という構成でした。
久しぶりに聴く佐藤GWANさんはやはり素晴らしいですね。
こんなに豪華なメンバーでの「星空」は初めて聴きましたが素晴らしかった。





今西さん(次の会場へすでに出発)を除く本日の出演者全員での演奏。
お花まつり音楽会、毎年充実していますが、今年も充実していました。
あっという間の5時間30分でした。
出演者のみなさん、素晴らしい歌と演奏ありがとうございました。